1.ホルモンの話と幸せになる9ヶ条
高見: 次に「女性ホルモンクリニック」という先生のご著書について伺いたいのですが、
まずどんなご本なのか、かんたんにご説明いただけますか?頭痛とは違う本ですよね。
山王: この本では、女性が出来るだけ若々しく元気で健康的に暮らしていけるようにという目的で書きました。
全身を元気に若さを保つということにホルモンが重要な役割を果たしているんですと言うことを解説して
いるんです。
ホルモンについて一般向けに書かれた本って意外と少ないんですよ。
高見: ホルモンって言うと、焼肉屋さんみたいな
イメージがありますね。
山王: そう、それにホルモンって言うと、男性ホル
モン、女性ホルモンと性ホルモンのイメージ
が強いですが、実はホルモンって100種類く
らいあって、それぞれが違う働きをしている
んですよ。
一つのホルモンだけで何かを補えると言わけで
はないんですよね。
相互に関係して作用しているんですよ。
高見: 僕も拝読させていただいて、自分は男ですので該当しないこともありましたが、単なる病気の解説や
治療法の紹介にとどまらずにもう一歩突っ込んだ内容でとてもよかったです。
山王: あら、ありがとうございます。
実は私もあの本が一番気に入っていて、第2弾を出せたらいいなと思っているんですよ。
高見: 特に第3章がすごくいいです。良い意味でドクターが書いた本ではないようなというか・・・。
山王: ありがとうございます。
高見: 最近では「夢をかなえるゾウ」がベストセラーになって、さらにその亜流というか、同じようなことを言って
いる自己啓発の本がたくさん出ています。どれも素晴らしいことを言っているとは思うのですが・・・。
山王: その裏づけとなるような医学的根拠がない。
高見: そうなんです。心と体の健康のために、たとえば怒ら
ないとか感謝の気持ちを持ちましょうとか他人を ほめ
ましょうとか、そういったことを医師であり、さらに脳を
ご 専門にされている現役の先生が書かれているって
言うのがすごく興味 深いと思いました。
山王: そうなんですよ。
私もいろんな病気を治したいと言う究極の想いもある
んです。でも、人間だから病気になるのも当たり前な
んです。
それなら、病気になって苦しむのではなく、病気になる
前 に予防したい、つまり未病という考え方に一番興味
があって、体にいいこと悪いことに自分で気がつくこと
によって、それだけ健康になるんだよ、変わってくるん
だよ。っていうことをずっと伝えていきたいと思ってる
んです。
そうした中で、自分の専門が脳下垂体と言う部分で、
全身のホルモンを支配している司令塔みたいなところ
なので。
高見: それでホルモンをテーマにした本ということなんですね。
山王: 体中の全てのホルモンというのは実は脳から指令を受けているんです。
脳にはいろいろな外からの刺激が入ってくるじゃないですか、目で見たとか耳で聞いたとか、鼻で嗅いだ
とか、・・。
全部の刺激が脳に行ってこれまでの経験と照らし合わせて、嬉しいとか気持ちいいとか感じたり、
いろんな感情が入って神経伝達物質が出て行くわけです。
それのサイクル、流れをよくしてあげることが若返りだったり、ホルモンの分泌につながってくるんです。
高見: その流れをよくするためには、一つに投薬などの医学的な方法もあるのかと思いますけど、先ほどの
感謝の気持ちを持つとか、他人をほめるとか、そういうことで脳が活性化されるという方法もある。
山王: そうですね。実際そういうときにドーパミンと言う快楽ホルモンがたくさんでるというデータがあるんです。
脳内の視床下部というホルモンの中枢と扁桃体という感情を司る部分とが、とても近接していて
お互いにすごく関与しあっているんですね。
だから、人をほめたり、感謝の気持ちを持つというだけで扁桃体が刺激されて、扁桃体に近接している
視床下部でドーパミンが分泌されるんです。
ドーパミンが分泌されれば気分がよくなり、脳の働き自体もよくなるんです。
高見: すごくいい話ですね。
よい感情を持つことで脳内で快楽ホルモンが出て、それで脳自体の働きがよくなる。
脳の働きがよくなるというのは、つまり脳自体の活性化というか、頭の回転をよくしたり、脳の機能の
衰えや物忘れを防ぐということですか。
山王: そうなんです。物忘れの予防にも繋がるわけです。
物忘れとか、うつとか、神経の働きが落ちていくことで起こるんですよ。
だから神経の働きをUPさせてあげれば物忘れが減ってくるんです。
神経の働きが落ちていると状態というのは、メンタルが落ち込んでいる場合が多いんです。
たとえば認知症の方って1人暮らしの方が多いんです。
高見: それはさっきの8か条の中にある1人で食事をとっているということ?
山王: そう、これがすごく大事なこと。
食事って誰にもとってもすごく嬉しいことだし、楽しいことじゃないですか。
その食事を楽しくできると言うことが、脳の活性化に繋がるんですよ。
脳内のドーパミンとか、嬉しいって感じる物質がたくさん出てくるわけなんです。
高見: たとえば、ご飯を食べているとき、それを美味しいともまずいとも言わずにだまって食べるより、
美味しかったら「美味しい!」って口に出して言えばよい。
感情を出さないより、大げさに表現すればよい。たとえ、本当はあまり美味しくなくても。(笑)
そんなことですか?
山王: そうですよ。それでいいんです、それで。
単純なんです、脳って。(笑)
感情を出すってすごく大事です。
分かっているようでも口に出さなきゃ伝わら
ないこともありますしね。
それに口に出すことで自分も本当にそう思
えてくるんですよ。
高見:逆に怒るっていう感情は?
山王: 今度はネガティブなホルモンが出てくるだけなんですよ。
怒りとか闘争ってストレスホルモンが出てくるんですね。
それをCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)ていうんですけど、名前のとおり、副腎皮質刺激ホ
ルモン(ACTH)の分泌を促して副腎皮質ホルモンを分泌させて、免疫力の低下など、体の器官に様々
な影響を与えます。
また、ストレスが加わるとそれに対応して、闘わなければいけないとか、相手が強そうなら逃げなきゃ
いけないとか、筋肉を動かしたりとか走ったりするためにアドレナリンというホルモンとか、血圧を上昇
させるホルモンが出てくるんです。
そういったホルモンがたくさん出てくるわけなんですけど、そういうホルモンには神経を苛立たせる作用
もあって、さっきの逆ですね、たとえば感謝の気持ちを持ったときに脳内で起こる作用をすべて打ち消
すような作用をしてしまうんです。
高見: つまり脳の働きが落ちると。
山王: そう、だから怒ってばかりいたら、ネガティブなホルモンばかり増えてきて闘争心の塊になって
脳の働きが落ちるんですよ。
実際、脳下垂体の中にさっきのストレスホルモンを分泌する腫瘍ができてしまうこともあるんですよ。
その腫瘍が出来た人って認知症になりやすいんですよ。
高見: へぇー、すごい。医学的に定量化されているわけですね。
山王: ちゃんとデータもあるんですよ。
高見: 何かで聞いたことがあるんですけど、従業員に威張って怒ってやっているワンマン社長がですね、
そういう人が引退すると認知症になりやすいとか。
山王: あー、そうですね。孤独ですからね。
高見: 孤独で友達がいなくなって、どんどん寂しくなるという話があったんで、自分も注意してるんです
ど。(笑)
実際、そういった傾向が体内の器質的な変化としても本当にあるんですね。
山王: そうなんです。

