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脳外科医に聞く  意外と知られていない頭痛のこと (1)

 

女性と頭痛 ~5人に1人が頭痛に悩んでいる


 高見: 本日は品川駅前で主に頭痛外来を開業されている山王クリニック院長 山王直子先生にお話を
            伺いたいと思います。   
            まずは頭痛外来について伺いたいのですが、どのような患者さんが来院されているのですか?
 
山王: 慢性頭痛の患者さんが多いですね。
           そういう慢性的に悩んでいらっしゃる患者さんに少しでも快適な生活を送っていただきたいということで
           頭痛外来と言うものをやっています。

 
高見: ご開業される前までは、大学病院で逆に命に関わるような脳の病気の手術をなさっていたんですよね。
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山王: そうですね。外科手術から病棟の患者さんの治療、外来診察 
         まで、毎日、病院で暮らしているみたいでした。(笑)
 
高見: それで開業されたのは?
 
山王: 病院で働いていると、患者さんの治療以外の事務や管理と
     いった仕事がだんだんと増えてきて
           目指していた医療と違ってきてしまったんです。
           それならば、もっと一般の方で頭痛に困っている人とか、このまま間違ったら病気になってしまう人を
           食い止められる段階で治療したいと思ったんですよ。

 
高見: 大きな病気を事前に食い止めることができたということは、開業してから実際にたくさんあったのです
           か?
 
山王: ええ、脳腫瘍や脳梗塞、動脈瘤が見つかることも日常的によくあります。
           だから、そういうことをできるだけ早く気がついて欲しいなと思って、いろいろな機会でお話をさせて
           いただいたりしていますね。

 
高見: テレビとか、新聞とか・・・、いわゆる啓蒙活動ですね。(笑)
 
山王: はい。(笑)
 
高見: 慢性頭痛と言うと、実際どのような症状の患者さんがいらっしゃるのですか?
 
山王: 慢性頭痛の症状ってなかなか分からない辛さなんですよね。
           慢性頭痛にも、3種類(緊張型頭痛、群発頭痛、片頭痛)あって、命に関わるような脳腫瘍とか
           そういう病気とは違うんですが、慢性と言うくらいですから日常生活に支障を与えてしまいます。
           それは患者さんご本人にもとっても辛いわけですし、社会的にも損失がありますよね。
           頭痛にならない方には「何で頭痛くらいで」と思ってしまうものですけどね。
           すごい吐き気がして、本当に吐いちゃう人もいますからね。

 
高見: 半日もするとウソのようにコロッと治ってしまう。
 
山王: そうすると仮病とか言われる人もいますよね。
           子供なら学校をサボりたいだけなのかとか、言われてしまったり・・・・。
           市販の薬でごまかして悪化させてしまうこともあるんですよ。

 
高見: 確かに鎮痛剤のテレビCMがあるというのは、それだけ需要があるということだし、
            みんな買っているということになりますね。
 
山王: イメージのよいタレントさんとか使って「片頭痛にはコレ!」って、本当にスッキリするような印象を
            与えてるじゃないですか、あれはちょっとよくない部分がありますね。

 
高見: 市販薬でなんとかしのげちゃうような・・・。
           それが「頭痛人口の3%くらいしか専門医を受診していない」という現実にも繋がっていると。
 
山王: もちろん、市販薬が全く悪いということではないのですが、市販薬でしのいでいるうちに起こる頭痛も
           あるんですよ。
           薬物乱用頭痛と呼ばれますが、病院にかかっていただくべきですね。

 
高見: 市販薬に依存してしまう理由には、どういう場合に専門医を受診した方が良いとか、病院に行けば、
            どこまで治すことが出来るかということへの認識が少ないということがあると思うんです。
            「あなたは病院へ行く必要がありますよ」といった指標みたいなものはありますか?
            できるだけ具体的な・・・。  image6.png
 
山王: 日常生活に差し支えるくらいの頭痛を繰り返し
           経験されているのであれば、受診していただきた
           いですね。
           あとは市販薬を月に10日以上飲んでしまうようで
           したら、それは頼りすぎて頭痛がひどくなっている
           状況なんです。
           それとは別に、普段とはまったく違う頭痛が起こっ
           たとき、具体的にはくも膜下出血、脳出血、頭蓋内
           出血、脳卒中とかね、そういう怖い病気が隠れて
           いる可能性もあるわけなんですね。
 
高見: そういう重症例でもご本人はなかなか気がつかない?
 
山王: 頭痛持ちの人ってある意味頭痛慣れしている。
           だから、ちょっとくらいの頭痛なら大丈夫って思っちゃうことがあるんです。
           でも、例えばくも膜下出血の頭痛って、片頭痛と相当症状が似ているんですよ。

 
高見: そういう重篤な頭痛を起こす方の年齢って、比較的高齢の方に多いように思っていたんですが・・・。
 
山王: 脳卒中って年寄りの病気と思われていますよね。
          でも、くも膜下出血って若い人にもあるんですよ。
          30代、40代なら動脈瘤の破裂もありますし、20代でも脳の血管の先天的な異常が原因で脳出血を
          起こすこともあります。

 
高見: そういう場合には、事前に検査をしてということになると思いますが、脳の検査は敷居が高くないです
           か?CT撮ったりとか・・・。
 
山王: たしかに「検査しましょうか?」っていうと「そんなに悪いんですか?」ってビックリしちゃう方が
             いらっしゃるんですけど、必ずしも大きな病気だからと言うわけではなくて、やはりある程度の年齢の
            方は一度やっておくと安心ですからね。

 
高見: 患者さんが、20代、30代でしたら?
 
山王: もちろん、20代、30代は普通必要ないですね。
           でも専門医に診てもらって、診断してもらうことは大切ですよ。自己判断はよくないですから。
           それに重篤な頭痛ではない場合も、専門のクリニックでずっと楽にしてあげることが出来ますしね。

 

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